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2012年度

経営の基本SWOT分析

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3月の年度末に向けて非常に厳しい状況下の中小企業が多く見受けられ、大変な時期であると感じられる。「孫子」は今から約2500年前に中国の春秋戦国時代に作られた古代中国の兵法書である。現代経営学の追求理念と共通していることから、現在でも多くの経営者に活用されていると考えられる。

 孫子兵法の基本的条件は、相手(敵)と自分を徹底的に知り尽くすことに必勝の基礎があり、相手と自分を知り尽くす方法としてはSWOT分析がある。敵を知り、自分を知ることは企業を取りまく経営環境、競合他社のことを調べて競争上、優位に立つことを認識することである。これを中国で実践したのが、「三国志」に出てくる潼関(どうかん)の戦いにおける賈?(かく)の戦略である。

 日本で「孫子」理論を実践したのが、風林火山で有名な史上最強集団を創設した武田信玄である。現在の国際競争の激化、国内での生き残りの舵取りをする経営者にとっては、悪戦苦闘の連戦を強いられている時代にマッチすることも考えられる。武田信玄以降、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康と戦国時代の戦略に利用されてきたのである。

 別の見方として経営を分解すると、「お経」を「営む」となり、利益は儲け(分解すると「信者」)を指し、信者即ち顧客満足度の向上が直接の利益につながり、仏法でいう「ご利益」に位置付けられることになる。

 SWOT分析は企業内外の経営環境と影響の側面から、企業の「強み・弱み・機会・脅威」を明確化して、強みを発揮しえる事業機会を探し出そうとするための分析手法である。

好影響 悪影響
内部環境 S(Strengths)
強み
W(Weaknesses)
弱み
外部環境 O(Opportunities)
機会
T(Threats)脅威

 SWOT分析は自社の強みを活かして、自社の弱みを克服して、外部の機会を利用して、外部の脅威を取り除き、身を守るという形で分分析する場合が考えられる。外部環境と内部環境を同時に分析した結果から、より優れた戦略・戦術を策定することが可能になる。

 自社に関しては、経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウ・信用等を、収益性・成長性・競合状況・企業組織等を含めて、各々調査して長所・利点・欠点・欠陥・問題点・マイナス面の分析をすることになる。弱みは経営管理に悪い影響を与えていると判断できるものに限定して上げなければならない。

 外部の機会とは、自社を取りまく外部環境で自社に有利となるチャンスと判断されるものである。外部の脅威とは、不利・マイナスと判断されるもので、政治的・経済的・社会的・文化的・国際的・科学的・自然等の環境に関して影響度を分析することになる。

 SWOT分析の強み・弱みのポイントとしては、下記のことが考えられる。

  • ◇考えられる強み・弱みを列挙した後に項目を分類する。
  • ◇強み・弱みの項目数は同数にして、判断は慎重に取り扱う。
  • ◇出来る限り多くの人間で分析する。
  • ◇自社に甘くなる傾向を避ける。

 中小企業にとって原点に戻る気持でSWOT 分析をすることは、その結果を経営管理の各分野で合理的な判断・評価が出来るし、従来の経験・カンによる経営管理をさらに科学的・合理的に行って有効性に結び付けることが可能であると考えられるので、頑張ってほしいと念じている。

2012年03月03日
経営コンサルタント
市川 晃朗