協会活動

会員コラム

2012年度

中小企業の悪戦苦闘

中小企業の悪戦苦闘のイメージ画像

 円相場は5年前の110円台から80円を割る円高状況の影響で、減収減益、特別損失で倒産する中小企業が急増している。今年6月までの倒産件数・負債総額は前年同期と比較して2倍になっている。

 リーマンショックにより施行された借金の返済を先延ばしにする金融円滑化法(モラトリアム法)は日本国内の景気回復を前提に設けられたが、デフレ傾向から抜け切れずに、この法令も限界に達した感がある。そのために今後の中小企業の倒産が一気に増加する危険もある。中小企業だけでなく電機業界を中心に大手企業もリストラ対応に追われているのが現在の姿である。消費税増税を考える前に中小企業支援策を国家として考えて貰わないと大変なことに陥る危険性も考えられる。

 企業として負債を減少させるためには、自己資本比率を年々上昇させていくことが大切なことであるが、現実は非常に困難な挑戦といえる。自己資本比率は高いほど健全な企業といえるので、同業他社と比較して高い数値を維持することを心掛けるべきである。

 事業再生としてのADR(裁判以外の紛争解決)制度も、倒産の印象を与えることから、事業再生ADRとして普及させるために、今後の課題として考えていかなければならない問題点である。

 中小企業が上昇していくためには、PDCAを活用した継続的改善の連続、即ち経営改善の連続で伸びていくことが必要である。最も重要なことは経営者として、全社員の上に立ってリーダーシップを発揮して、前後左右上下を見回して積極的に前向きに協力に改善を推進することが大切である。経営改善は、整備、修正・除去、修正・調達、改良、革新の手法を中心に進めていくことになる。

 企業が危険状態にあるか否かは下記のチェックポイントを確認して上昇気流に乗せることが大切である。

  • (1)経営者としての個人資産が少ない。
  • (2)経営者が事業よりも他のことに熱中している。
  • (3)社員間の人間関係が悪化して複雑になっている。
  • (4)同業他社への失注から在庫が異常に増大している。
  • (5)得意先の倒産が相次いで影響を受けている。
  • (6)売上目標の達成率が未達成で不調である。
  • (7)自己資本比率が年々、低下している。
  • (8)社員の定着率が悪い、人材が揃わない。
  • (9)社員がストレスによるうつ化傾向で休職者が多い。
  • (10)社内の5Sが整備されていない(特にトイレ)

 経営者として悪戦苦闘を乗り切って勝ち抜くためには、会社の状況を側近幹部と常に把握することにより品質マネジメントシステムISO9000に基づく8原則を参考に取り組むことも1つの方法である。参考資料として、過去の日経指標で景気・経営に関する分を下記に示している。

実質成長率

(前年比%)

企業倒産件数

(単位:千)

賃金指数

(前年比%)

日経平均

円相場

(対ドル)

1981年

3.6

17.4 5.1 7,682 228
1991年 3.1 11.6 3.3 22,984 133
2001年 △0.6 19.5 △1.6 11,468 124
2009年 △2.0 14.7 △3.4 9,976 93
2010年 3.2 13.1 0.5 9,951 86
2011年 0.0 12.7 △0.3 9,183 79

 中小企業にとって大変な時期であるが、今の企業を未来永劫に存続させていくために、経営者・側近幹部・社員が一致団結して、頑張って頂きたいと念じております。

2012年09月07日
経営コンサルタント
市川 晃朗