協会活動

会員コラム

2013年度

企業におけるセクハラ・パワハラ

中小企業の悪戦苦闘のイメージ画像

 大阪の市立桜宮高校のバスケット部における顧問教諭からの主将に対する繰り返しの体罰による17歳の高校生が、短い生涯を閉じて自殺した。今後の教育問題の改善課題として、大きく取り上げられることになると感じられるが、プロスポーツ経験者からも体罰に対する疑問の声が相次いでいるのが現状である。昨年度の自殺者は2万8千人弱で15年ぶりに3万人を下回る結果となったが、安心できる状態ではないことは当然のことであると考えられる。
 企業においても職場イジメとしてのパワハラ(パワーハラスメント)及びセクハラ(セクシュアルハラスメント)が、労使で職場における大きな問題となって経営者の大きな悩みとなっている。
 性的嫌がらせとしてのセクハラは許されない行為であるが、上司等によるプライベート感覚での飲食の誘いは、危機を感じた場合は避けるべきである。上司が職場内でもセクハラを訴えられる恐れが怖くて、部下の女性と雑談も出来ないことから、職場が凍りついた状況になっていることも考えられる。セクハラ被害を解決するには、そのような行為・言動に対する記録を残して、電子メールは消去せずに残しておいて企業内で設置されている相談窓口に相談することが一つの方法として考えられる。
 職場でのイジメ・嫌がらせとしてのパワハラも大きな問題となっているが、部下への叱咤激励、エコヒイキの逆の形として捉えられる上司の指導は、受け側としてパワハラに感じることもある。業務能力に優れた新入社員・若手社員は、上司・先輩からイジメに該当するパワハラを受ける傾向が見られる場合もある。このような場合、逆に上司・先輩イジメとしてのIT関連での逆パワハラも増加していると考えられる。
 民間企業に勤務する25%が職場でパワハラを受けた経験があると厚生労働省で報告されている。年代別にみると30代が最も多く、40代・50代・20代の順になっている。パワハラによりストレス発生も考えられるので、社員の体調保持のためにもパワハラ予防は重要なことである。パワハラを生じやすい部門としては、日本産業カウンセラー協会調査として、下記のことが考えられる。

  • ◇社員同士のコミュニケーションが少ない
  • ◇上司の指導力欠如
  • ◇業務の多忙が特定の個人に集中
  • ◇成果主義・能力主義の導入
  • ◇部門内成果のダウン
  • ◇社員の入退社が多く不安定

 パワハラ行為と誤解される行為に、いじめ・メンタルヘルス労働者支援センターガイドラインとして、下記のことが考えられる。

  • ◇机をたたく、書類を投げる等の威嚇
  • ◇大声で命令・叱責する行動
  • ◇容姿・人格を否定する発言の繰り返し
  • ◇私的な噂・中傷の放言
  • ◇私的な用事、業務に関係ない雑務の指示
  • ◇飲食会・親睦行事への強制参加
  • ◇仕事を割り当てない
  • ◇グループ内で孤立させる

 厚生労働省によると、個別労働紛争解決制度への職場でのイジメ・嫌がらせの件数は、毎年、増加傾向にあり、年間5万件近い数値となっている。セクハラ・パワハラ対策としては、大手企業に比較して中小の企業規模が取り組みに弱いというデータもあることから、中小企業にとって重大な課題となっている。企業経営者として社員に気持ち良く働いて、有意義な人生を「真面目に強く上品に」過ごしてもらうためにも、セクハラ・パワハラに関して真剣に取り組んでいかなければならないテーマであると感じます。

2013年01月30日
イチカワCSR研究所 所長
経営コンサルタント
市川 晃朗